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障害年金制度における「治った」とは|症状固定・障害手当金
障害年金における「治った」は一般的な意味と違う
障害年金の制度において「治った(治癒)」という言葉は、日常的な意味とは異なる使われ方をします。一般的には「病気が完全に回復した」という意味ですが、障害年金の文脈では「症状が固定し、これ以上の医療効果が期待できない状態になった」ことを含みます。
つまり、医学的な意味で「完治」していなくても、「症状が固定した」と判断された場合は「治った」とみなされることがあります。この概念は、障害認定日の特例や障害手当金の判断に関わるため、正確に理解しておくことが重要です。
なお、「治った」と判断されると障害年金の受給が停止される場合もあります。一方で「治った」という判断が障害認定日の前倒しにつながり、より早く申請できるケースもあります。
症状固定とは——医学的に完治しなくても認定される
「症状固定」とは、傷病の治療を行っても、これ以上症状の改善が期待できないと医師が判断した状態のことです。完治(症状がなくなる)とは異なり、症状が残ったままでも「これ以上よくなる見込みがない」と認定された時点で症状固定となります。
たとえば、交通事故による骨折後の後遺症・脳卒中後の麻痺・四肢の切断・人工関節への置換などがこれに当たります。精神疾患では「症状固定」の概念が適用されにくい傾向がありますが、器質性精神障害や高次脳機能障害などでは認められるケースもあります。
症状固定の判断は主治医が行います。「症状固定」と診断書に記載されているかどうかが、障害認定日の特例適用に関わる重要なポイントです。
障害認定日の特例——症状固定で1年6ヶ月前に申請できるケース
通常、障害年金の申請ができる「障害認定日」は初診日から1年6ヶ月後です。しかし、初診から1年6ヶ月以内に「症状固定」と判断された場合は、その固定日が障害認定日となります。これにより、通常より早い時期から障害年金を申請できる可能性があります。
症状固定により認定日の特例が認められる代表的なケースは以下のとおりです。
・両眼の視力が著しく低下した日
・手足の切断・義肢装着後
・人工肛門・膀胱瘻の造設後
・人工透析開始から3ヶ月経過後
・人工関節・人工骨頭挿入後
・脳梗塞・脳出血等による肢体障害(発症から6ヶ月経過後に症状固定)
これらの特例に該当する場合は、初診から1年6ヶ月を待たずに申請できます。社労士への早期相談で認定日の特例を見逃さないようにしましょう。
障害手当金(一時金)とは?
障害手当金は、障害厚生年金の制度の中にある一時金給付です。障害の程度が障害年金の3級よりも軽く、初診日から5年以内に症状が固定した場合に支給されます。
支給は一回限りの一時金であり、年金(継続的な給付)とは異なります。また、障害手当金は労災の障害一時金と選択関係にある場合があり、一方を受け取るともう一方は受給できないケースもあります。
なお、障害手当金を受け取った後に症状が悪化した場合、一定の条件のもとで障害厚生年金の請求(事後重症請求)が可能になることがあります。症状が変化した場合は早めに専門家に相談することをお勧めします。
「治った」と判定された場合の支給停止と再認定
障害年金の受給が決定した後も、定期的に「障害状態確認届(更新)」が行われます。この更新審査において、障害の程度が認定基準に該当しないと判断されると、「治った」として支給停止になることがあります。
支給停止になった場合でも、その後症状が再び悪化して認定基準を満たすようになれば、支給停止事由消滅届を提出することで再び受給できる可能性があります(障害厚生年金の3級以上・障害基礎年金の2級以上が対象)。
更新で不支給・支給停止になった場合、3ヶ月以内に審査請求(不服申立て)を行うことも可能です。社労士がサポートできますので、更新結果に納得できない場合は早めにご相談ください。
更新(障害状態確認届)の仕組み
障害年金の多くは「有期認定」として、1〜5年ごとに障害の状態を確認する更新が義務付けられています。「障害状態確認届」(診断書)を指定の期限内に提出しなければ、支給が一時停止になります。
更新時期は年金証書に記載されており、期限の約3ヶ月前に日本年金機構から書類が送付されます。この書類を受け取ったら、速やかに主治医に診断書の作成を依頼する必要があります。
更新の診断書についても、受給決定時と同様に「実態をどのように記載するか」が重要です。日常生活の状況が悪化しているのに診断書に反映されていない場合、等級が下がったり支給停止になったりするリスクがあります。更新前に社労士に相談することをお勧めします。
まとめ:症状が固定したら早めに相談を
「治った」「症状固定」という概念は、障害年金の申請開始タイミング・認定日の特例適用・支給停止の判断など、さまざまな場面に関わります。これらを正確に理解し、適切なタイミングで対応することが、障害年金の受給を最大化するうえで重要です。
症状が固定した・あるいは再び悪化したと感じたタイミングで、まず社労士に相談することをお勧めします。障害年金がいつから受給できるかや法定免除のデメリットについても関連コラムをご覧ください。東亮介社会保険労務士事務所では初回相談無料・完全成功報酬制でサポートいたします。
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