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障害年金の法定免除を解説した記事

障害年金における「法定免除」とは|対象者と手続き方法

法定免除とは——障害年金受給者への国民年金免除制度

法定免除とは、一定の要件に法律上(法定)該当した場合に、申請によって国民年金保険料の全額が免除される制度です。「申請免除」が所得状況に応じた審査によるのに対し、法定免除は所得に関係なく、法律が定める要件に該当する方が対象となります。

障害年金受給者にとっては、障害年金の1級または2級を受給することで、この法定免除の要件を満たす場合があります。月額約1万6,000円超(2024年度)の保険料が免除されるため、経済的に大きな恩恵がある制度です。一方で将来の老齢年金に影響することもあるため、メリット・デメリットを理解したうえで判断することが重要です。

法定免除の対象者と開始時期

法定免除の対象者は、国民年金の第1号被保険者(自営業者・フリーランス・学生・無職者など)のうち、以下の要件に該当する方です。

・障害基礎年金または障害厚生年金の1級・2級の受給権者
・生活保護の生活扶助を受けている方
・国立ハンセン病療養所等の施設に入所している方

法定免除の開始時期は、以下のとおりです。
・障害年金1・2級を受給する場合:受給権が発生した月(障害認定日の月)の前月分の保険料から免除が開始されます。
・生活保護受給の場合:受給開始月の前月分から免除が開始されます。

なお、法定免除は自動的に適用されるものではなく、届出(申請)が必要です。届出を忘れると、要件に該当しているにもかかわらず保険料が引き続き請求されます。

法定免除のメリット

法定免除の主なメリットは次の3点です。

1. 保険料の全額免除
毎月の国民年金保険料(2024年度は約1万6,980円)が全額免除されます。年間約20万円以上の支出を抑えられる計算です。

2. 老齢年金の受給資格期間にカウントされる
法定免除期間は保険料を支払ったわけではありませんが、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)にはカウントされます。保険料未納とは異なる点が重要です。

3. 過去分の還付請求が可能
遡及して法定免除の要件に該当する期間がある場合、すでに納付した保険料の還付請求を行うことができます。

法定免除のデメリット——将来の老齢年金への影響

法定免除の最大のデメリットは、将来受け取る老齢基礎年金の受給額が減少することです。

法定免除期間は老齢基礎年金の計算において「2分の1の期間」として扱われます。たとえば、法定免除なしで40年間フル加入した場合と比較して、法定免除期間が20年ある場合、老齢基礎年金の額が約10年分(25%)相当、少なくなる計算になります。

現在は障害年金を受給していても、将来は障害の状態が回復して障害年金が支給停止になるケースもあります。その後、老齢年金で生活することを考えると、法定免除を安易に選択することにはリスクがあります。特に若い方・将来の回復可能性がある方は慎重に判断してください。

法定免除 vs 申請免除——どちらを選ぶべきか

国民年金の保険料免除には、法定免除のほかに「申請免除」があります。申請免除は所得審査によって全額・4分の3・半額・4分の1の免除が認められる制度で、免除割合に応じて老齢年金への影響が異なります。

法定免除が利用できる場合でも、あえて申請免除を選ぶ(または申請しない)という選択肢もあります。たとえば、「今は保険料を支払えるが将来の老齢年金を確保したい」という方は、法定免除の届出をせずに保険料を納付し続けることも可能です。

また、法定免除を届け出たうえで「任意加入」として保険料を納付することもできます(2016年の法改正以降)。これにより、免除期間中の老齢年金の減額を補填することができます。

法定免除を受けながら任意加入する方法

2016年の国民年金法改正により、法定免除該当者が「希望する場合に限り」免除期間中の保険料を納付できる制度が設けられました。これにより、法定免除を受けながらも老齢年金の減額を防ぐことが可能となっています。

この制度を活用するには、年金事務所で「法定免除届出+任意納付の申し出」を同時に行います。法定免除のみを届け出た場合は任意納付できませんので、申し出のタイミングに注意が必要です。

「今は経済的に余裕があるが将来が不安」「障害年金の受給がいつまで続くかわからない」という方は、任意加入との組み合わせを検討することをお勧めします。詳しくは障害年金1・2級と保険料免除の仕組みのコラムもあわせてご覧ください。

まとめ:専門家に相談して最善策を

法定免除は障害年金受給者にとって有利な制度ですが、将来の老齢年金への影響・任意加入の可否・所得状況など、個人の状況によって最適な選択は異なります。「とりあえず免除申請しよう」と安易に決めるのではなく、長期的な視点で判断することが重要です。

東亮介社会保険労務士事務所では、障害年金申請のサポートと合わせて、法定免除の手続きや任意加入の選択についてもご案内しています。初回相談無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。LINEでの相談も受け付けています。

東亮介 社会保険労務士・行政書士

監修・執筆:東 亮介(ひがし りょうすけ)

社会保険労務士・行政書士|大阪府社会保険労務士会 登録番号:27090026
障害年金相談実績5,000件以上。精神障害・難病・身体障害を中心に全国対応。
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